地球の平和
庭にモミジの木があります。
モミジと言えば一般的には秋ですが、個人的には春から夏にかけての鮮やかな緑のモミジも好きです。
ただ、緑の葉が繁り始めるこの時期に毎年やらなければいけないことがあります。
イラガの幼虫の駆除です。
イラガの幼虫は毒のあるトゲを持っていて、それに触ると電気が流れるような痛みが走ります。
恋や治療以外の電気が体内を流れるのは嫌なものです。
このイラガの幼虫、葉の後ろに張り付いているのでピンセットや剪定バサミを使って一匹一匹はがし、潰していきます。
イラガの幼虫のビジュアルと、潰すと緑色の体液を流すので、まるで地球外生命体と戦っている気分になります。
ゆえに私はこの作業を密かに宇宙戦争と呼んでいます。
今のとこ、全勝です。無敗です。地球の平和は私が保っていると言っても過言ではありません。
ところで、このイラガの幼虫、私の住んでる地方では「しなんたろう」いう独特の名前で呼びます。
語源を調べてもハッキリしないのですが、おそらく「刺されると痛いが死ぬことはないだろう」→「死なないだろう」→「しなんたろう」というのが大方の推測のようです。
そんな単純な語源なのだろうかと疑う私は、「刺されると痛いが、刺されたあの子はそんなに泣いていないよ」の後半部分が一度英語になり、「She is not tearing a lot(シーイズノットティアーリングアロット)」→「シズナティアロッ」→「シナティアロー」→「しなんたろう」という経過をたどったのではないかという、ありもしない推測を思い浮かべつつ、
今年も戦地へ出向くのである。
では。